概要
本記事では、ライセンスサーバーを構築せずにAltair社のライセンスサーバーを使用するManagedライセンス認証の設定手順について解説します。
事前準備
1. Altair Oneのアカウント作成
Managedライセンス認証を利用するには、Altair Oneというポータルサイトにアカウントを作成する必要があります。
このアカウントは後でライセンスと利用端末を紐づけるためにも使用されます。
まだAltair Oneのアカウントを作成していない場合、以下の手順に従ってアカウントを作成してください。
2. Altair Oneのアカウントとライセンスの紐づけ
バージョン確認後、Altair Analyticsが4.4.0以降でない場合、バージョンアップが必要です。
バージョンアップの手順については、以下の記事を参照してください。
これらの手順に従うことで、Managedライセンス認証を利用するための準備が整います。
Altair Oneのアカウントを作成し、Altair Analyticsのバージョンを確認・アップグレードすることで、Altair製品の利用をスムーズに始めることができます。必要な手順を一つずつ確認して、問題なくManagedライセンスを活用しましょう。
環境変数の設定
- Windows環境単体の場合
システム環境変数に「ALM_HHWU=T」を追加します。
- クラサバ構成の場合(Windows→Windows Server)
クライアント端末(Windows)のWorkbenchから、サーバ環境(Windows Server)にインストールしたAltair Analyticsを利用する場合、サーバ環境(Windows Server)のシステム環境変数に「ALM_HHWU=T」を追加します。
- クラサバ構成の場合(Windows→Linux Server)
クライアント端末(Windows)のWorkbenchから、サーバ環境(Linux Server)にインストールしたAltair Analyticsを利用する場合、サーバ環境(Linux Server)の環境変数に「ALM_HHWU=True」を追加します。
ポート開放
こちらの記事で解説しておりますが、Altair側が運営するライセンスサーバーに対して通信が必要ですので、Port番号443で、auth.hhwu.altair.com、client.hhwu.altair.comへアクセスできる設定が必要です。
Altair Oneアカウントと利用端末の紐づけ(Windows)
- 「almutil_gui」を実行します。
バージョン4ですと、以下のフォルダに存在しております。
C:\Program Files\World Programming\WPS Analytics\4\bin
- 「Managed Licensing」タブを選択します。
- 「Authorization」項目の「New Authorization」をクリックします。
- 「E-mail Address」「Password」にAltair Oneのユーザーアカウントの認証情報を入力、「Sign Inをクリックします。」
- 成功した場合は、「Successfully authorized this machine with the Hosted HWU system」というメッセージが表示されます。
- Altair Analyticsが問題なく起動できるかご確認ください。
Altair Oneアカウントと利用端末の紐づけ(Linux)
「almutil_gui」を実行します。
バージョン4ですと、以下のディレクトリに存在しております。
<インストールディレクトリ>/bin
他手順は、Windowsのものと同様です。
もし、「almutil_gui」が起動しない場合は、不足しているLinuxのライブラリなどをインストールしてください。
弊社側での検証時は、libfontconfig、libfreetype6というライブラリをインストールすることが必要でした。
なお、<インストールディレクトリ>/bin下にあります「almutil」を利用し、「almutil -a1auth」というコマンドを実行することで、GUIを利用しないでコンソール画面上にて対話形式でのAltair Oneアカウントと利用端末の紐づけを実施することも可能です。
もし、「almutil_gui」の起動時のLinuxエラーを解消するために、ライブラリのインストールをできない状況であれば、「almutil」を利用することもご検討ください。
「almutil -a1auth」を実行すると、Altair One Usernameの入力を求められますので、Altair Oneのアカウント名(=メールアドレス)を入力してEnterキーを押下してください。
次にAltair One Passwordの入力を求められますので、Altair Oneのアカウントのパスワードを入力してください。
「Successfully」が出ると、紐づけが成功したことを意味しています。
備考
- インストーラーに関して
インストーラーをWPSのポータルサイトからも入手可能です。
*WPSのポータルサイトにアカウントがない場合は、こちらの記事を参考に、アカウント作成をお願いいたします。
2022年11月現在、Altair Oneから入手できるAltair Analyticsのインストーラーは、release版となっており、maintenance版を入手したい場合は、WPSのポータルサイトからもダウンロードください。
*release版、maintenance版の違いは、こちらの記事を参照ください。
- 疎通エラー
Workbench起動後、以下のスクリーンショットエラーが出ている場合は、Altair側が運営するライセンスサーバーへ接続できておりません。
お客様環境から、外部環境へのネットワーク設定を見直してください。
お客様のネットワーク管理者の方に相談し、下記をホワイトリストに追加した上で再度試してみてください。
client.hhwu.altair.com
auth.hhwu.altair.com
auth.login.solidthinking.com
alas.admin.altairone.com
auth.admin.altairone.com
追加すると同時に、システム環境変数に「ALM_HHWU=T」を追加したのと同じ方法で、「変数名:ALM_HHWU_USE_WININET、変数値:1」という設定を追加してください。
- エフェメラルポートの解放
先述したように、Port番号443で、auth.hhwu.altair.com、client.hhwu.altair.comへアクセスできるファイアウォール設定が必要ですが、お客様のファイアウォール設定によっては、エフェメラルポートの解放も考慮する必要があります。
これは、Port番号443で、auth.hhwu.altair.com、client.hhwu.altair.comへアクセスした際の戻りの通信が戻ってこれる設定になっていないファイアウォール設定になっている可能性があるためです。
もし、Port番号443で、auth.hhwu.altair.com、client.hhwu.altair.comへアクセスできるファイアウォール設定にしても、ライセンス認証に失敗する場合は、ファイアウォールのインバウンド設定で、エフェメラルポートの解放を試してください。
エフェメラルポートの範囲はOSによって異なり、一般的には、Windowsでは49152~65535が使用され、Linuxでは32768~61000が使用されることが多いです。
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